心理小説の名作的作品をまとめています。
モダニズム文学のひとつの手法である「意識のながれ」を表現した作品など。
人間の深層心理や心理描写が豊富な小説を掲載しています。
心理小説・心理描写が豊富な小説
「赤と黒」 スタンダール(著)
フランス心理小説の最高峰
19世紀フランス文学、リアリズム作家の革命的名著
貧しい生まれの美青年が燃やす権力への野心ーー
ジュリヤン・ソレルは、製材小屋のせがれとして生まれ、父や兄から虐待される日々をおくる。彼は、不屈の強靱な意志を内に秘め、町を支配するブルジョアに対し激しい憎悪を抱いていた。そんな折、たまたま、町長・レーナル家の家庭教師になり、純真な夫人を誘惑してしまい!?・・
「失われた時を求めて」 マルセル・プルースト(著)
20世紀西欧文学を代表する世界的な作家で、フランスの小説家
「ユリシーズ」と並び、20世紀最高の文学と言われるプルーストの代表作
丁寧な心理描写の全14巻からなる大作
「ヘンリー・ジェイムズ傑作選」 ヘンリー・ジェイムズ(著)
「心理主義小説」の先駆者ジェイムズの代表作
プレ・モダニズム期の作家で、心理描写の代表格
プルーストやジョイスらと共に、現代文学の基礎をきずいた作家です。文学的先駆性と言語表現の豊かさが詰まった傑作選。
「ダロウェイ夫人」 ヴァージニア・ウルフ(著)
モダニズム小説の代表作
現在と過去を自在に行き来し、クラリッサ・ダロウェイの第一次大戦の傷跡残るロンドンのある1日を描く。「意識のながれ」手法を使った小説。
「響きと怒り」 ウィリアム・フォークナー(著)
ノーベル賞作家の最高傑作【新訳】
20世紀文学の傑出した小説のひとつ
米国南部社会の醜悪で陰惨な人間心理を描写し、白痴ベンジーの意識のなかに連れこむ。アメリカ南部の名門コンプソン家。古い伝統と因襲のなかで没落してゆく姿が、現在と過去が交錯しながら描かれる。
「緋文字」 ホーソーン(著)
19世紀、アメリカ文学の最高峰の深層心理小説
きびしい迫害と孤独の生活に耐えるヘスターの姿ーー
戒律のきびしい清教徒の町・ボストン。牢獄前広場で、さらし台に立たされる女があった。公衆の面前に恥辱の身をさらされ、「姦淫」を象徴する緋色のAの字を付けることを言いわたされ!?・・
「退屈な話」 アントン・チェーホフ(著)
心理描写を重視した作品を多く発表したチェーホフの代表的な中編
老教授は、立派な経歴がありながら退職後の生き方に自信を持てず、その心境をえぐった作品。
「地下室の手記」 ドストエフスキー(著)
文豪・ドストエフスキーの人間心理の奥底を描いた作品
著者の思想が反映された作品
終わりのない絶望と戦う人間の姿。世の中を怒り、憎み、攻撃し、後悔の念から、もがき苦しむ世間から軽蔑され、虫けらのように扱われた男は、自意識渦巻く精神が逃げ込む堅牢な地下室で・・