【ポストモダン作家7人】アメリカ文学のメタフィクション・実験的小説

1960年代後半から80年代前半までのアメリカのポスト現代文学。

そんな、ポストモダン作家の代表的なポストモダン小説をまとめています。

トマス・ピンチョン、ジョン・バース、リチャード・パワーズ、ドン・デリーロなどの大物作家の傑作小説。

ポストモダン文学とは!?

ポストモダン文学は、1960年代後半~80年代前半のアメリカ文学の中でも、メタフィクション、実験的な小説などのことを言います。

wikiPedia(ウィキペディア)によると、「近代文学へのアンチテーゼということ以外、明確な定義はない。」とのことです。

物語の矛盾を肯定的に含んだり、時間軸の無秩序性、全面的破壊、記号性、模倣、自己の解体等々、様々な要素を含んだ構造の特徴があります。

ポップカルチャーなども取り入れながら、複数の語り手や脱線など、複雑な構成をしている小説が多いのも特徴です。



アメリカ【ポストモダン作家】

トマス・ピンチョン

「重力の虹」 トマス・ピンチョン(著)

重力の虹
新潮社
発売日:2014/9/30

[1974年] 全米図書賞 受賞作

ポストモダニズム文学の筆頭、トマス・ピンチョンの金字塔

世界文学史上に伝説を刻んだ33万語、100万字超の巨篇。1944年、ロンドン。V2ロケット爆弾が空を切り裂き飛んでくる。情報局から、調査の命を受けたスロースロップ中尉は!?・・

ノーベル文学賞作家候補になりながら、公共の場には姿を現わさない謎の作家・ピンチョンの重厚な代表作。

 

ジョン・バース

「やぎ少年ジャイルズ」 ジョン・バース(著)

やぎ少年ジャイルズ
国書刊行会
発売日:1992/10/1

トマス・ピンチョンと並び、ポストモダン文学の巨塔、ジョン・バースの作品

奇想に満ちた世界史の荒唐無稽なパロディーー

ヤギとして育てられた少年ジャイルズ。自分のことをヤギだと思っていたが、人間であることに気づき始める。やがて、大学に進むが、大学は巨大なコンピュータに統治されていて!?・・

 

ドナルド・バーセルミ

「帰れ、カリガリ博士」 ドナルド・バーセルミ(著)

帰れ、カリガリ博士
国書刊行会
発売日:1989/11/1

デビュー短編集

トマス・ピンチョン、ジョン・バースなどと並び、ポストモダン作家の作品。前衛的実験性 とメタフィクションで表現される作品群。

 

ロバート・クーヴァー

「ユニヴァーサル野球協会」 ロバート・クーヴァー(著)

ユニヴァーサル野球協会
白水社
発売日:2014/1/18

ポストモダン野球小説

ポストモダニズム文学の殿堂入り名作

ユニヴァーサル野球協会、それは、中年の会計士・ヘンリーの頭の中だけに存在する野球リーグ。ヘンリーは、自分で創作した野球ゲームに没頭している。そこから、アメリカの歴史や政治や宗教を語り直し!?やがて、虚構と現実の境界が崩れ、ヘンリーの人生は狂い始め!?・・

 

ドン・デリーロ

「ホワイト・ノイズ」 ドン・デリーロ(著)

ホワイト・ノイズ
水声社
発売日:2022/12/23

[1985年] 全米図書賞 受賞作

現代文学の鬼才ドン・デリーロの代表作でポストモダン小説の傑作

長らく絶版でしたが、2022年に【新訳】が発売され、評判の良い新訳となっています。

日常を引き裂くこの混沌。不安、「死」への底なしの恐怖。大量消費社会、甚大な汚染事故、情報メディアの氾濫、オカルトの蔓延、謎の新薬の魔手、いびつな家族関係。果たして人々は乗り越えられるのか!?・・

NetFlix(ネットフリックス)で映画化済み

 

ウィリアム・ギャディス

「JR」 ウィリアム・ギャディス(著)

JR
国書刊行会
発売日:2018/12/21

1976年(第27回)全米図書賞 受賞作

爆笑必至の金融ブラックコメディ

世界文学史上の超弩級最高傑作、940ページの重厚本。

ロングアイランドに住む少年JR・ヴァンサントは、11歳にして金儲けに興味津々。ある時、軍需余剰品売買の情報を得て銀行口座を開設する。要領よく海軍放出のピクニック用フォークを大量に陸軍へ売却し、大儲けに成功する。その後も株主として大金を得、潰れかけの紡績会社を買収し、企業経営に乗り出す。そして、「JR社ファミリー」なる企業グループを瞬く間に築き上げる。しかし、手に負えなくなり、巨大コングロマリットと化し大暴走。世界経済に大波乱を巻き起こすが!?--

 

フィリップ・ロス

「素晴らしいアメリカ野球」 フィリップ・ロス(著)

素晴らしいアメリカ野球
新潮社
発売日:2016/4/28

アメリカ文学史上、最凶の大問題作

ジプシー球団マンディーズの放浪記。アル中の一塁手や片脚の捕手、最年長52歳の三塁手など、弱小ナインが次々と珍記録を樹立!?・・ 老スポーツ記者が語る。