1960年代後半から80年代前半までのアメリカのポスト現代文学。
そんな、ポストモダン作家の代表的なポストモダン小説をまとめています。
トマス・ピンチョン、ジョン・バース、リチャード・パワーズ、ドン・デリーロなどの大物作家の傑作小説。
ポストモダン文学とは!?
ポストモダン文学は、1960年代後半~80年代前半のアメリカ文学の中でも、メタフィクション、実験的な小説などのことを言います。
wikiPedia(ウィキペディア)によると、「近代文学へのアンチテーゼということ以外、明確な定義はない。」とのことです。
物語の矛盾を肯定的に含んだり、時間軸の無秩序性、全面的破壊、記号性、模倣、自己の解体等々、様々な要素を含んだ構造の特徴があります。
ポップカルチャーなども取り入れながら、複数の語り手や脱線など、複雑な構成をしている小説が多いのも特徴です。
アメリカ【ポストモダン作家】
トマス・ピンチョン
「重力の虹」 トマス・ピンチョン(著)
[1974年] 全米図書賞 受賞作
ポストモダニズム文学の筆頭、トマス・ピンチョンの金字塔
世界文学史上に伝説を刻んだ33万語、100万字超の巨篇。1944年、ロンドン。V2ロケット爆弾が空を切り裂き飛んでくる。情報局から、調査の命を受けたスロースロップ中尉は!?・・
ノーベル文学賞作家候補になりながら、公共の場には姿を現わさない謎の作家・ピンチョンの重厚な代表作。
ジョン・バース
「やぎ少年ジャイルズ」 ジョン・バース(著)
トマス・ピンチョンと並び、ポストモダン文学の巨塔、ジョン・バースの作品
奇想に満ちた世界史の荒唐無稽なパロディーー
ヤギとして育てられた少年ジャイルズ。自分のことをヤギだと思っていたが、人間であることに気づき始める。やがて、大学に進むが、大学は巨大なコンピュータに統治されていて!?・・
ドナルド・バーセルミ
「帰れ、カリガリ博士」 ドナルド・バーセルミ(著)
デビュー短編集
トマス・ピンチョン、ジョン・バースなどと並び、ポストモダン作家の作品。前衛的実験性 とメタフィクションで表現される作品群。
ロバート・クーヴァー
「ユニヴァーサル野球協会」 ロバート・クーヴァー(著)
ポストモダン野球小説
ポストモダニズム文学の殿堂入り名作
ユニヴァーサル野球協会、それは、中年の会計士・ヘンリーの頭の中だけに存在する野球リーグ。ヘンリーは、自分で創作した野球ゲームに没頭している。そこから、アメリカの歴史や政治や宗教を語り直し!?やがて、虚構と現実の境界が崩れ、ヘンリーの人生は狂い始め!?・・
ドン・デリーロ
「ホワイト・ノイズ」 ドン・デリーロ(著)
[1985年] 全米図書賞 受賞作
現代文学の鬼才ドン・デリーロの代表作でポストモダン小説の傑作
長らく絶版でしたが、2022年に【新訳】が発売され、評判の良い新訳となっています。
日常を引き裂くこの混沌。不安、「死」への底なしの恐怖。大量消費社会、甚大な汚染事故、情報メディアの氾濫、オカルトの蔓延、謎の新薬の魔手、いびつな家族関係。果たして人々は乗り越えられるのか!?・・
NetFlix(ネットフリックス)で映画化済み
ウィリアム・ギャディス
「JR」 ウィリアム・ギャディス(著)
1976年(第27回)全米図書賞 受賞作
爆笑必至の金融ブラックコメディ
世界文学史上の超弩級最高傑作、940ページの重厚本。
ロングアイランドに住む少年JR・ヴァンサントは、11歳にして金儲けに興味津々。ある時、軍需余剰品売買の情報を得て銀行口座を開設する。要領よく海軍放出のピクニック用フォークを大量に陸軍へ売却し、大儲けに成功する。その後も株主として大金を得、潰れかけの紡績会社を買収し、企業経営に乗り出す。そして、「JR社ファミリー」なる企業グループを瞬く間に築き上げる。しかし、手に負えなくなり、巨大コングロマリットと化し大暴走。世界経済に大波乱を巻き起こすが!?--
フィリップ・ロス
「素晴らしいアメリカ野球」 フィリップ・ロス(著)
アメリカ文学史上、最凶の大問題作
ジプシー球団マンディーズの放浪記。アル中の一塁手や片脚の捕手、最年長52歳の三塁手など、弱小ナインが次々と珍記録を樹立!?・・ 老スポーツ記者が語る。