実存主義文学の代表的作家をまとめています。
実存主義の思想を文学に反映させた作品群の中から、代表的な作品を掲載しています。
ニーチェやキルケゴールなどの先駆的思想家・哲学者の著作も掲載。
実存主義文学とは!?
実存主義は、神が本質をつくるという従来の考え方を拒否し、「存在」を中心命題にした人間の存在について考える哲学です。
20世紀前半の戦争や動乱の不条理さから、実存主義文学が脚光を浴びるようになりました。
サルトルにおける実存主義文学は、実存意識(存在の不条理性に対する意識、存在に対する不安)を出発点とする文学です。
歴史や社会、現実の前では、人間の個性、本質、自由が無力であることから生まれた潮流です。
実存主義の先駆的【思想家・哲学者】
ニーチェ
「ツァラトゥストラ」 ニーチェ(著)
実存主義の代表的な思想家のひとり、ニーチェの主著
近代の思想と文学に衝撃を与えた1冊。神の死でニヒリズムに陥ったヨーロッパ精神を、生をありのままに肯定し、超人によって克服する予言の書。
キルケゴール
「死に至る病」 S.A.キェルケゴール(著)
絶望の暗黒面を心理学的に掘りさげつつ、人間の本質を追求した書ーー
「死に至る病」とは絶望のことである。キルケゴールの哲学的思索の根本的な特色。絶望者の心理描写には、著者自身の自己分析と自己告白が含まれる。
実存主義文学の代表的作家
ジャン=ポール・サルトル
「嘔吐」 J‐P・サルトル(著)
20世紀フランス文学の金字塔(60年ぶりの完全新訳)
存在の不条理性に対する意識を描いた作品
1冊の日記に綴られた孤独な男のモノローグ。港町ブーヴィル。ロカンタンを突然襲う吐き気の意味とは!?・・
アルベール・カミュ
「異邦人」 カミュ(著)
不条理をテーマにした著者の代表作
サルトルの「嘔吐」と同じような位置を占める作品
理性や人間性の不合理を追求した1冊。主人公・ムルソーは、太陽の眩しさを理由にアラビア人を殺し、死刑判決を受けるも、幸福であると確信するが!?・・
シモーヌ・ド・ボーボアール
「第二の性」 シモーヌ・ド・ボーヴォワール(著)
20世紀を代表する作家・思想家で、サルトルのパートナー
フェミニズム運動の旗手で、本書は、フェミニズムのバイブルとして読み継がれている1冊
男に支配されてきた女の歴史を紐解きながら、自由な可能性を提示する名著。女性の生き方とは何か!?・・
ジャン・ジュネ
「花のノートルダム」 ジャン・ジュネ(著)
実存主義文学のサルトルから「聖ジュネ」とよばれ、「参加の文学者」として世に出た作家
文学史上最も過激な小説と言われた獄中からのデビュー作
孤児で、泥棒、同性愛者のジュネが、監獄の中で記した犯罪者や同性愛者を徹底的に描写。
ポール・ニザン
「アデン・アラビア」 ポール・ニザン(著)
全世界の熱烈な共感を得た青春小説の傑作
ぼくは20歳だった。それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまいーー
1930年代、ヨーロッパの危機の時代。イエメン共和国、第2の都市で砂漠の地・アデン。すべての虚飾をはぎとられた人間に見たものは何か!?ーー
ヴィオレット・ルデュック
「私生児」 ヴィオレット・ルデュック(著)
ボーヴォワールの女友達で、女流作家による自伝的作品
同性愛者としての自己を醜い存在だと