【リアリズム作家10人】代表的な小説-19世紀の文学的潮流

リアリズム文学の代表的な作家と作品をまとめています。

写実主義、現実主義の表現手法で執筆された文学の潮流<リアリズム文学>

世界に名だたる文豪の名作が多く出版されました。

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リアリズム文学とは!?

リアリズム文学とは、19世紀にロシアやフランスで生まれた写実主義、現実主義の文学を言います。

社会的背景や心理描写などを写実的に表現した文学で、現実をありのままに捉えようとする文学上の主張です。

代表的な作家に、ドストエフスキー、スタンダール、マーク・トゥエインなどの作家が挙げられます。

文学運動としての〈リアリズム〉は、ロマン主義に対抗し登場した文学の潮流です。

ロマン主義への反発とも言われ、現代文学にも大きな影響を与えている潮流です。



リアリズム作家の代表作

ロシアの作家

ドストエフスキー

「罪と罰」 フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)

罪と罰
光文社
発売日:2008/10/9

ドストエフスキーの代表作、世界文学の傑作

19世紀ロシア・リアリズム文学の代表的な作家のひとり。人間の内面の葛藤や矛盾を深く掘り下げたリアリズム。時代や設定が現実と根差した文学が、リアリズムの定義でもあります。

 

トルストイ

「戦争と平和」 トルストイ(著)

戦争と平和
新潮社
発売日:2005/8/1

帝政ロシア末期の作家による世界文学の最高峰をなす名作

19世紀初頭、ナポレオンのロシア侵入という歴史的大事件により、発揮されたロシア人の民族性を、貴族社会と民衆の有り様を描いた一大叙事詩。

 

プーシキン

「オネーギン」 プーシキン(著)

オネーギン
岩波書店
発売日:2006/9/15

ロシア文学史上に輝く詩的小説の金字塔

可憐な少女・タチヤーナの恋情を踏みにじったオネーギン。彼は、のちにタチヤーナへの愛に目覚めるが、時すでに遅く、彼の恋が受け入れられることはなかった・・

 

フランスの作家

スタンダール

「赤と黒」 スタンダール(著)

赤と黒
新潮社
発売日:1957/2/27

19世紀フランス文学の革命的名著

貧しい生まれの美青年が燃やす権力への野心ーー

ジュリヤン・ソレルは、製材小屋のせがれとして生まれ、父や兄から虐待される日々をおくる。彼は、不屈の強靱な意志を内に秘め、町を支配するブルジョアに対し激しい憎悪を抱いていた。そんな折、たまたま、町長・レーナル家の家庭教師になり、純真な夫人を誘惑してしまい!?・・

 

バルザック

「人間喜劇」 バルザック(著)

「人間喜劇」総序・金色の眼の娘
岩波書店
発売日:2024/6/18

フランスを代表するリアリズムの巨匠

19世紀、ロシア文学の先駆けになる写実的小説群。フランス社会の反映とリアリスティックな歴史を含んだ90篇の長編・短編。

 

イギリス(英国)の作家

チャールズ・ディケンズ

「デイヴィッド・コパフィールド」 チャールズ・ディケンズ(著)

デイヴィッド・コパフィールド
新潮社
発売日:1967/3/2

「世界文学史上の最高傑作」と評される文豪・ディケンズの代表作

写実主義の要素、社会的な背景を描き、リアリズムと自伝的要素をふくむ名作

生まれる前に父を亡くしたデイヴィッドは、母の再婚で冷酷な継父により、苦難の日々をおくる。逃げだした彼は、ドーヴァに住む大伯母の家を目指し、徒歩の旅をはじめるが!?・・

 

ジェイン・オースティン

「マンスフィールド・パーク」 ジェイン・オースティン(著)

マンスフィールド・パーク
筑摩書房
発売日:2010/11/12

リアリズム小説の創始者のひとりとも言われる作家

19世紀英国が誇る女流作家、ジェーン・オースティンの後期代表作の新訳

恋愛小説の達人・オースティンの円熟期の作品。伯母にいじめられながら育った内気なファニー。彼女は、いつしか、いとこのエドマンドに恋心を抱くが!?・・

 

ドイツの作家

テオドール・フォンターネ

「罪なき罪」 フォンターネ(著)

罪なき罪
岩波書店
発売日:2005/9/1

19世紀ドイツ文学のリアリズムを代表する重要な作家の代表作

フォンターネ晩年の傑作

健全で幸福な社会生活を営むために、我々の戒心すべきところを説いている。「社会的規範」での内面の葛藤。

 

アメリカ(米国)の作家

マーク・トウェイン

「ハックルベリー・フィンの冒険」 マーク・トウェイン(著)

ハックルベリー・フィンの冒険
小鳥遊書房
発売日:2025/5/30

「トム・ソーヤーの冒険」でも知られるマーク・トウェインの傑作

トウェインのあの名作が、2025年に新訳として出版されました。

ハックは、黒人奴隷のジムと共に、ミシシッピ川を下る冒険に出かける!ーー

 

セオドア・ドライサー

「アメリカの悲劇」 セオドア・ドライサー(著)

アメリカの悲劇
花伝社
発売日:2024/9/24

1920年代アメリカ現代文学の先駆的傑作、待望の新訳!

20世紀初頭のアメリカを代表するリアリズム文学の作家

貧困と差別、性の在り方、資本家と労働者、宗教の役割、陪審制度と死刑問題、新聞の役割など、現代に繋がるアメリカ社会の断面を浮き彫りにしながらーー

 

ナサニエル・ホーソーン

「緋文字」 ホーソーン(著)

緋文字
新潮社
発売日:1957/10/17

ルネサンスを代表する作家

厳密には、リアリズムの文学的な運動以前に活動したが、リアリズム要素を含む作風

きびしい迫害と孤独の生活に耐えるヘスターの姿ーー

戒律のきびしい清教徒の町・ボストン。牢獄前広場で、さらし台に立たされる女があった。公衆の面前に恥辱の身をさらされ、「姦淫」を象徴する緋色のAの字を付けることを言いわたされ!?・・