ルネサンス文学の代表的作家の作品をまとめています。
イタリアに端を発し、ヨーロッパ中に広まったルネサンス(文化運動)の文学の分野。
そのルネサンス文学は、近代小説の始まりとも言われています。
ルネサンス文学とは!?
ルネサンスとは、教会の権威が絶頂にあり、神学の教義が中心の価値観が支配的だった中世から、文化を復興しようとする文化運動です。
文学においては、中世にない新しい作品を、次々に生み出しました。
ルネサンス文学とは、14世紀~16世紀の時代に、イタリアから全ヨーロッパを範囲に普及した文学で、中世の教会中心的文化を離れた新しい文学が生まれました。
14世紀のイタリアに発祥し、数世紀のあいだにフランス、オランダ、イギリス、スペインなどの各国に波及しました。
物語形式としての小説の原点もこの時期にあり、小説「ノベル」という語は、「新しい小話」という原義になります。
ルネサンス文学の代表作
ダンテ・アリギエーリ(イタリア)
「神曲」 ダンテ(著)
ルネサンス文学を代表する作家の世界文学の最高傑作
キリスト教文学の最高峰とされる叙事詩
「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の3篇からなり、各篇は33歌からなり、合計100歌となる文学、美術、現実の政治等に多大な影響を与えた人類に正しい道を指し示そうとした作品。
ボッカッチョ(イタリア)
「デカメロン」 ボッカッチョ(著)
イタリア・ルネサンス期の巨人の世界文学史上不滅の古典
全訳決定版の第1弾
14世紀イタリアのフィレンツェ。ペストが蔓延する中、森の館に避難した男女10人が、面白おかしい話で、10日の間、語り合う100の物語。毎日、交代で面白い物語を話して聞かせることになった。
G. チョーサー(イギリス)
「カンタベリー物語」 G. チョーサー(著)
中世イギリス最大の詩人・チョーサーの代表作
4月のある日、身分も職業も様々な29人の巡礼が、サザークの旅籠に顔を合せた。カンタベリーへの道中、当時のイギリス社会の縮図というべき顔ぶれが、順番に話をすることになり!?・・
フランチェスコ・ペトラルカ(イタリア)
「カンツォニエーレ」 フランチェスコ・ペトラルカ(著)
ルネサンス期のイタリアの詩人・ペトラルカによる叙情詩集
ヨーロッパの詩的伝統に屹立し、その感情の様式を決定した屈指の古典
日本で初めての全訳。言葉の奥行きと世界的な広がり。
エラスムス(オランダ)
「痴愚神礼讃」 エラスムス(著)
16世紀はじめ、エラスムスのルターなどの宗教改革にも影響を与えた書
中世以来の腐敗したカトリック教会の世界を容赦なく批判し、歪められてきた人間性の救済を要求した。人間を「痴愚者」の集団として眺めた1冊。
フランソワ・ラブレー(フランス)
「ガルガンチュアとパンタグリュエル」 フランソワ・ラブレー(著)
巨人の王・ガルガンチュアとその息子・パンタグリュエルが主人公の小説
16世紀のカトリック教会への風刺のきいた奇想天外な物語
ポストモダン文学の源流とも言えるような前衛的な1冊。
ルドヴィコ・アリオスト(イタリア)
「狂えるオルランド」 ルドヴィコ・アリオスト(著)
ルネッサンスの「ベストセラー」作品で、抒情的な作品
めくるめく恋と冒険の物語
波瀾万丈、奇想天外、痛快無比。悲劇的でありつつも、コミカルで、全ての要素をまとめあげた当時のヨーロッパ文学を完成の極致にまで高めた1冊。
トマス・モア(イギリス)
「ユートピア」 トマス・モア (著)
16世紀の大ヒューマニストによる人間の理想を求め続ける古典の原典の完訳
トマス・モアの造語「ユートピア」とは、「どこにも無い」という意味
自由と規律をかねそなえた共和国の理想国。国民は、人間の自然な姿を愛し「戦争でえられた名誉ほど不名誉なものはない」と考えている。社会思想史上の第一級の古典。
ミシェル・ド・モンテーニュ(フランス)
「エセー」 ミシェル・ド・モンテーニュ(著)
16世紀フランスの思想家・モンテーニュの古典知識の集大成
知識人の教養書として、古くから読みつがれてきた名著の新訳
「酔っぱらうことについて」「良心について」「実地に学ぶことについて」「書物について」など、11編を収録。デカルト、パスカルなどの思想家に影響を与え、人間の理性、判断力、知識の限界など、真理を追究しようとした古典的名著。
エドマンド・スペンサー(イギリス)
「妖精の女王」 エドマンド・スペンサー(著)
英国詩人・スペンサーの代表作
アーサー王伝説をもとにした竜と闘う騎士物語。
”ドラゴンクエスト”のルーツとなる冒険譚も収録。
セルバンテス(スペイン)
「模範小説集」 セルバンテス(著)
「ドン・キホーテ」で知られるセルバンテスの短編集
「コルネリア夫人」「二人の乙女」「イギリスのスペイン娘」「寛大な恋人」など..