ロマン主義の代表的な作家をまとめています。
18世紀~19世紀のヨーロッパで興った文学運動の旗手や代表する作家など。
国別の作家と代表作、特徴などについてもまとめています。
ロマン主義とは!?
ロマン主義は、18世紀~19世紀にかけてヨーロッパで興った文芸・芸術・思想の運動です。
ロマン主義文学は、その文学運動で、感情の豊かさや個人の内面、自然との一体感などを描いた作家を多く輩出しました。
感受性を重んじましたが、その反動で、のちに、リアリズム(写実主義)、自然主義などをもたらしました。
ヴィクトル・ユーゴーやアレクサンドル・デュマなどのロマン主義の旗手を筆頭に、ゲーテ、ワーズワースなどの作家がいました。
ロマン主義の作家
フランス
アレクサンドル・デュマ
「モンテ=クリスト伯」 アレクサンドル・デュマ(著)
ロマン主義の旗手、フランスの文豪・デュマの心躍る代表作
息をつかせぬ展開と冒険の全6巻を、新訳でーー
若き船乗りエドモン・ダンテスは、同僚に陥れられ、海に浮かぶ監獄で14年の獄中生活をおくる。絶望の中、他の囚人が壁を削る音に気づいた彼は!?・・
ヴィクトル・ユゴー
「ノートル=ダム・ド・パリ」 ヴィクトル・ユゴー(著)
フランス・ロマン主義を代表する作家
1482年のパリを舞台に、中世の社会と民衆の風俗を生き生きと描くーー
醜い鐘番のカジモドと踊り子のエスメラルダ、司教補佐・クロード・フロロ。運命により結ばれた登場人物たちの愛や情熱、嫉妬などの感情を描いたドラマ。
シャトーブリアン
「アタラ ルネ」 フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン(著)
フランス、ロマン主義の父・シャトーブリアンの作品
ロマン主義文学の出発点とも言われる2篇
新世界アメリカの大自然を背景に、インディアンの悲恋物語ー「アタラ」、著者の自伝とも言われるー「ルネ」
イギリス
ウィリアム・ワーズワース
「抒情歌謡集」 ウィリアム・ワーズワース(著)
イギリス・ロマン主義を代表する作家
後世に多大な影響を与えた詩集。文学史においても、それまでのイギリスの詩との分水嶺になった作品。
ウォルター・スコット
「アイヴァンホー」 ウォルター・スコット(著)
恋と冒険の騎士道絵巻
サクソンの郷士・セドリックの子アイヴァンホーは、サクソン王の後裔のロウィーナ姫に恋をして、父に勘当される。彼は、ノルマン人リチャード獅子心王の臣として十字軍に加わるが!?・・ 中世イギリスのサクソン人とノルマン人の対立を背景に描かれた1冊。
ジョン・ミルトン
「失楽園」 ジョン・ミルトン(著)
イギリスのピューリタン革命でクロムウェルの秘書官も務めた作家
ピューリタン文学の傑作と言われた作品
禁断の木の実を食べ、神の怒りを買い、楽園エデンから追放されてしまう人類。旧約聖書の「創世記」の背後に描いた壮大なストーリー。
バイロン
「バイロン詩集」 バイロン(著)
ギリシャ革命に自ら銃をとり、熱病に倒れた詩人・バイロン
シェイクスピアと並び、18世紀末から19世紀にかけて活躍したイギリスが生んだ最も偉大な詩人。ヨーロッパのロマン精神の典型と言える短い生涯。
ドイツ
ゲーテ
「若きウェルテルの悩み」 ゲーテ(著)
世界文学史に燦然と輝く不朽の名作
故郷を離れたウェルテルが出会い恋をしたのは、婚約者のいるロッテだった。愛情とともに深まる絶望。ウェルテルの繊細な心の行きつく先は!?・・
ノヴァーリス
「青い花」 ノヴァーリス(著)
ロマン主義文学の重要な作品
ロマン派文学が追求した「内面の自由」や「無限の探求」を象徴する作品として、後の文学に多大な影響を与えた1冊。神秘的な世界観、自然との一体感、愛の探求など、詩的で哲学的な探求..
フリードリヒ・シュレーゲル
「ルツィンデ 他三篇」 フリードリヒ・シュレーゲル(著)
文学と哲学、愛をめぐるシュレーゲルの初期批評3篇
生の無限の混沌を、めくるめくアラベスクへと織りあげたマニエリスム小説の傑作「ルツィンデ」他..
ヘルダーリン
「ヒュペーリオン」 ヘルダーリン(著)
内的経験を物語る哲学的教養小説
青年・ヒュペーリオンは、祖国ギリシャの独立のため、露土戦争に加わる。激戦を生き延びるが、愛する恋人を病で失い、悲しみの中、祖国を離れ、ドイツへおもむく・・
ハイネ
「歌の本」 ハイネ(著)
青春時代の抒情詩の集大成(「若き悩み」「抒情挿曲」収録)
激動の時代を生きた詩人・ハイネ。祖国・ドイツでは、ナチス時代に完全に抹殺されたが、卓抜な批判精神は、国境や時代を越え、多くの読者に読まれた。