【華文ミステリーおすすめ15冊】中華圏の現代推理小説や歴史サスペンスの翻訳作品が増えてきています。

華文ミステリーおすすめ

華文ミステリーというジャンルが勢いがあります。

中国(中華)のミステリ小説の評判が高く、翻訳小説も増えています。

そんな、中国作家による華文ミステリ小説をまとめました。

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華文ミステリー小説一覧

馬 伯庸

注目!「両京十五日 1:凶兆」 馬伯庸(著)

両京十五日:凶兆
早川書房
発売日:2024/2/6

このミステリがすごい!2025年版【海外篇】第1位

中国歴史サスペンス超大作

現代中国を代表するミステリ作家で、累計165億回再生越えの大ヒットドラマ「長安二十四時」の著者

15世紀の中国、明の時代。北京から南京に遣わされた皇太子が、爆発による襲撃で襲われる。北京にいる皇帝も命を狙われていることを知った皇太子は、南京から北京へ向かうが刺客が襲ってきて!?ーー

 

「両京十五日:凶兆」の続編(2冊で完結です。)

両京十五日2:天命
早川書房
発売日:2024/3/21

 

「西遊記事変」 馬伯庸(著)

西遊記事変
早川書房
発売日:2025/1/8

「西遊記」の裏側を描くミステリ

天竺へと向かう三蔵法師。仙界の太白金星に住む李長庚は、81の試練を与えることになった。しかし、そこには仙界の大物達が企てる隠された目的が見え隠れし!?・・壮大な計画の鍵は、孫悟空にあるという・・

 

周 浩暉

「死亡通知書 暗黒者」は、華文ミステリの最高峰と言われ、高い評価を受けました。

このミステリがすごい!2021年版【海外部門】第4位

中国でシリーズ累計120万部突破、ドラマ版は24億回再生されています。

「邪悪催眠師」は、「死亡通知書 暗黒者」の前日譚となります。

 

注目!「7人殺される」 周 浩暉(著)

7人殺される
HarperCollins
発売日:2024/11/22

「死亡通知書 暗黒者」で、このミステリがすごい!2021年版第4位など、中華ミステリをけん引してきた著者の最新作

 

陸 秋槎

「喪服の似合う少女」 陸秋槎(著)

喪服の似合う少女
早川書房
発売日:2024/8/5

華文ミステリの旗手の最新作

女性私立探偵・劉雅弦は、女学生からの依頼を受ける。しかし、捜索対象の岑樹萱を深く知っている者はひとりもいなかった。。しかも、劉は調査中に死体を見つけ、警察に逮捕されてしまい!?・・

 

2000年以上前の”前漢時代”の中国を扱ったミステリに「元年春之祭」があります。「このミステリーがすごい! 2019年版」で第4位となっています。

その他にも、中国現代物ミステリの《本屋大賞》翻訳小説部門第2位にもなっている「雪が白いとき、かつそのときに限り」や青春ミステリの「文学少女対数学少女」「ガーンズバック変換」などの作品があります。

 

紫 金陳

「検察官の遺言」 紫 金陳(著)

中国で大ヒットしたドラマの原作「悪童たち」で有名になり、「知能犯の時空トリック」で話題を呼んだ作家の最新作

地下鉄で拘束された張弁護士。彼のスーツケースには、江検察官の遺体が入っていた。。当初、犯行を認めていた張弁護士だが、突如、法廷で無罪を主張し!?・・

 

「知能犯の時空トリック」 紫金陳(著)

知能犯の時空トリック
行舟文化
発売日:2023/3/26

官僚謀殺シリーズの「知能犯之罠」に続く第2弾

新感覚の倒叙ミステリー

県検察院のトップが、計画停電の夜に殺された。唯一の目撃証言からの容疑者は、ベテラン警官・葉援朝だった。。葉への内偵が進められる中、新たな死者が出る。。葉援朝の背後には、彼を伯父と慕う物理教師の影があるが!?・・

 

陳 浩基

「13・67」 陳 浩基(著)

13・67
文藝春秋
発売日:2017/9/30

第1回 香港文学季推薦賞 受賞 / 台北国際ブックフェア賞(小説部門)

華文ミステリの火付け役とも言われている香港警察を取り上げた1冊です。

香港の歴史や文化はもちろん、街描写なども豊富なので、香港旅行を計画されている人にもおすすめの警察小説です。

2013年の雨傘革命~1967年の反英暴動まで、SARS、香港返還、天安門事件、香港警察の汚職など、香港の歴史事件を背景に、遡る形式の香港警察小説。

名刑事の警察人生を遡りながら、香港警察の体質や歴史などを含みながら6篇が収録されています。

 

「ディオゲネス変奏曲」は、「このミステリがすごい!2020版」で第5位にランクインしています。

「網内人」は、2020年各種ミステリランキングでベスト10入りしています。



その他の作家作品

「辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿」 莫理斯 (トレヴァー・モリス)(著)

辮髪のシャーロック・ホームズ
文藝春秋
発売日:2022/4/22

第9回(2023年)日本翻訳大賞 受賞作

第11回(2023年)翻訳ミステリー読者賞 受賞作

香港が舞台のミステリ歴史小説

清朝末期の香港を舞台に、中国人の福邇(フー・アル)と華笙(ホア・ション)が事件を解決していく・・

1880年代の香港の描写や歴史もわかるホームズ・パスティーシュ作品

もちろん、シャーロッキアンにもおすすめの華文ミステリです。

 

「厳冬之棺」 孫沁文(著)

厳冬之棺
早川書房
発売日:2023/9/20

このミステリがすごい!2024年版【海外編】第12位

上海が舞台の華文ミステリ

天才漫画家探偵・安縝(あんしん)が活躍。

上海郊外の湖畔。陸家の館で殺人事件が起きる。事件現場は、大雨で水没した地下室のため、密室だったが!?・・

 

「幽霊ホテルからの手紙」 蔡駿(著)

幽霊ホテルからの手紙
文藝春秋
発売日:2023/4/26

このホラーがすごい!2024年版【海外篇】第4位

日本翻訳大賞 最終候補作

サスペンス・ホラー

ある夜、バスで隣り合わせた血だらけの美しい女性・田園(ティエンユエン)から、木の小箱を預かった作家の周旋。「あの箱を幽霊旅館に届けて。」という女性からの留守電で、幽霊旅館を訪れるが!?・・

 

「桃源亭へようこそ 中国料理店店主・陶展文の事件簿」 陳舜臣(著)

中国の歴史小説「小説十八史略」の作家で、12の文化・文学賞を受賞した巨匠・陳舜臣の短篇6作に加え、料理ミステリ「幻の百花双瞳」も収録

神戸で中国料理店「桃源亭」を経営する華僑の陶展文。拳法の達人や漢方医の顔も持つが、今は甥に店を任せ、悠々自適の身だが!?ーー  華僑探偵シリーズ

 

「大唐泥犁獄」 陳漸(著)

大唐泥犁獄
行舟文化
発売日:2022/9/1

唐の時代を舞台にした時代ミステリの傑作

大唐の第二代皇帝に即位した李世民の治世。旅の僧・玄奘と従者の波羅葉は、霍邑県を訪ねた際、県令郭宰の屋敷の女中から「県令夫人を祟る悪鬼を祓ってほしい」と申し出られる。。

しかし、対面後、夫人は「今すぐ霍邑から立ち去れと」言い出す。その夜から相次ぐ怪現象と襲撃がくり返されるが!?・・

 

「蘭亭序之謎」 唐隠(著)

蘭亭序之謎
行舟文化
発売日:2023/8/2

史実と虚構の入り混じる華文サスペンス

唐の憲宗の時代。皇帝の重臣・裴度の姪の裴玄静は、7歳で殺人事件を解決して以降、「女名探偵」として知られていた。しかし、父の死後、故郷を追われ、玄静は、叔父を頼り長安へ向かう。そこで叔父の親友・武元衡の暗殺事件に遭遇し!?・・ 武大臣は、暗号の形で「王羲之の『蘭亭序』に隠された秘密を解き明かし、黒幕の正体を暴いてくれと託しているが!?・・

玄宗と楊貴妃以後の唐の時代ーー

 

「忘却の河」 蔡駿(著)

忘却の河
竹書房
発売日:2023/6/5

中国のスティーヴン・キングと言われる著者の異色ミステリ

1995年、中国。エリート進学校で女子高生が殺害される。容疑者とされた国語教師も何者かに殺され、事件は未解決のまま終わる。。9年後、天才的な頭脳を持つ小学生の周囲で不可解な事件が起こる。少年は何者なのか!?国語教師を殺した犯人は!?--

 

「黄」 雷 鈞(著)

「このミステリがすごい!2020版」の第16位にランクイン

「中国の孤児院で育ち、ドイツ人富豪の養子になった盲目の青年が、推理力に長けていて、中国文明発祥の地である黄土高原に向かうが…」というあらすじです。

 

注目!「盗墓筆記 地下迷宮と七つの棺/怒れる海に眠る墓」 南派 三叔(著)

中国発・大人気冒険ミステリーシリーズ

中国全土が熱狂する超弩級盗掘エンタテインメント

盗掘×友情×怪異×謎解きの超人気小説、待望の日本上陸。

骨董店を営む青年・呉邪のもとに、奇妙な帛書(はくしょ)が持ち込まれる。盗掘が生業の叔父・三叔は、その帛書に、古の国・魯国の貴族の墓の位置が記され、貴重な神器が埋葬されていると断言する。呉邪は、三叔たちと墓を目指し盗掘の旅に出る。しかし、墓「七星魯王宮」には、魑魅魍魎が跋扈していて!?・・ 盗掘をめぐる若者たちの絆と冒険の物語。



中華ミステリ 【あらすじ&レビュー】

「辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿」 莫理斯(トレヴァー・モリス)著

辮髪のシャーロック

章のタイトルやストーリーの根幹などもシャーロック・ホームズをもじった構成になっています。

レビュー

ストーリーはもちろん、清朝時代の香港や当時の中国のことなどがわかり、面白く、おすすめだと感じました。

多くの注釈でわからない言葉の補足や香港の歴史などもわかります。

清仏戦争の流れなどを小出しに挟みながら、広東語や北京官話などの地方の方言など、大陸の感覚や文化を味わえる小説でした。

訪ね人の人物分析など、ホームズ節も含んでいて、ホームズファンが楽しめる内容になっています。

清朝末期まで、今後、シリーズは4巻になるそうです。

シャーロッキアンはもちろん、そうでなくても十分、楽しめる1冊だと思いました。

 

「13・67」 陳 浩基(著)

1367陳浩基
4.0

香港警察ミステリ

華文ミステリの火付け役とも言われ、文春ミステリでは1位を獲得。

2013年〜1967年に現代から過去へさかのぼるような構成になっています。

1967年の反英暴動や香港警察の汚職、天安門事件、97年の香港返還やSARS、2013年の雨傘革命など6つの史実を絡めたミステリ小説です。

レビュー

華文ミステリの先駆け的小説です。

短編集のような感じで章ごとに物語が違いますが、主人公を通して全体的には繋がっているという感じです。

短編集ほど物語が短か過ぎず、1つ1つの話がしっかりボリュームもあります。

街描写なども豊富なので、香港に行かれる方はもちろん、香港が好きな人にもおすすめの1冊だと思いました。