ポストコロニアル文学の有名な小説を掲載しています。
植民地支配の「後(ポスト)」にも残る文化政治や経済影響など、帝国主義を分析・批判するポスト・コロニアル。
その、ポスト植民地主義文学の代表的な作品をまとめています。
ポストコロニアル文学の小説
「楽園」 アブドゥルラザク・グルナ(著)
[2021年] ノーベル文学賞 受賞者
植民地時代のアフリカ文学
20世紀初頭、タンザニアを舞台に、少年ユスフの成長を描く小説。植民地や両大戦間時期の東アフリカ沿岸地域の歴史的な転換期。
「真夜中の子供たち」 サルマン・ラシュディ(著)
[1993年] ブッカー賞の中のブッカー賞(創設25周年を記念)受賞作
[2008年] ベスト・オブ・ブッカー賞(創設40周年を記念) 受賞作
20世紀小説を代表する1冊とも言われています。
1947年、インド独立の日の真夜中。不思議な能力と共に生まれた子供達。その中でも、0時ちょうどに生まれたサリームの運命は、革命、戦争など祖国の歴史と結びつくーー
「闇の奥」 ジョゼフ・コンラッド(著)
映画「地獄の黙示録」の原作で、ジョゼフ・コンラッドの傑作
著者自身の実体験をもとにした、大自然の魔性と植民地主義の闇ーー
19世紀末、船乗りマーロウは、アフリカ大陸の中央部に派遣される。奥地出張所に象牙貿易で業績を上げた社員の噂を耳にし、大密林を分け入り、コンゴの最奥地にたどり着くが!?・・
「美は傷」 エカ・クルニアワン(著)
ポストコロニアル文学(ポストコロニアル論)の代表的な現代作品
ジャワ南部の港町に生まれた娼婦・デウィ・アユ。その一族を襲った悲劇。植民地統治、占領、独立、政変など、暴力の歴史と共に、神話、伝説、寓話などが絡み合う奇想天外な物語。
「ぼくの心は炎に焼かれる 植民地のふたりの少年」 ビヴァリー・ナイドゥー(著)
アフリカの歴史の一場面や信頼関係を扱った作品
1951年、ケニア。11歳の白人少年・マシューが寄宿学校から自宅の農場へ戻ってくると、家のまわりの柵が以前の2倍の高さになっていた。白人に〈マウマウ〉と呼ばれる、白人移住者から土地を奪還しようとするキクユ族の武装集団が活動を激化させているためだ。マシューが住む地域にもマウマウが訪れ、黒人たちを支配下におさめ始めるが!?・・
「月射病」 ジョルジュ・シムノン(著)
1930年代初頭・フランス植民地ガボンが舞台のポストコロニアル観点
フレンチミステリの巨匠、ジョルジュ・シムノンの異郷小説
育ちのよい青年ジョゼフ・ティマール。伯父の口利きで、アフリカ、ガボンの首都・リーブルヴィルに働きにやってくる。しかし、ホテルのオーナーの妻・アデルの虜になってしまう。その後、アデルの亭主が感染症で亡くなり、ティマールは、増々、アデルに溺れていく。アデルはティマールに、伯父の立場を利用し、ジャングルの借地権を得て一緒に事業を始めるように仕向ける。ティマールは同意するが、次第に自制心を失っていき!?・・ アフリカのエキゾチックな雰囲気も含みつつ。
「眠りの航路」 呉 明益(著)
台湾発のポストコロニアル小説
日本の植民地時代を含む台湾の複雑な歴史とアイデンティティーー
台北で暮らすフリーライターの「ぼく」は、数十年に一度と言われる竹の開花を見るために陽明山に登る。その日から睡眠のリズムに異常が起き、その意識は、太平洋戦争末期、神奈川県の高座海軍工廠に少年工として13歳で渡り、日本軍の戦闘機製造に従事した父・三郎の人生を追憶していき!?・・
「インドへの道」 E・M・フォースター(著)
人種、宗教、支配と非支配の対立を描く不朽の名作
大英帝国治下のインドが舞台。登場人物達の理解と無理解を緻密に描く。
「ボンベイ、マラバー・ヒルの未亡人たち」 スジャータ・マッシー(著)
アガサ賞歴史小説部門大賞、メアリー・ヒギンズ・クラーク賞など受賞多数
当時の社会背景(ポストコロニアル期)における女性の立場やインドの文化、
トラウマなどが深く絡み合う傑作歴史ミステリー
1921年インド、ボンベイ唯一の女性弁護士は、女性であるが故に法廷に立てず、事務弁護士として働いていた。そんな中、屋敷の中で殺人事件が起こるが・・
「タイガーズ・ワイフ」 テア・オブレヒト(著)
第10回(2013年)本屋大賞【翻訳小説部門】受賞作
バルカン半島の歴史を含みつつ
旧ユーゴスラビア。激しい内戦の傷跡が残る中、セルビア人の若い女医・ナタリアは、ボスニア・ヘルツェゴビナ領内の孤児たちの治療に赴く。祖父の死の知らせが届き!?・・ 民族、文化、風習などを内包し、寓話エピソードを含みつつ、マジックリアリズムの手法が用いられる1冊。
「帰還」 ドゥルセ・マリア・カルドーゾ(著)
ポルトガル作家のポストコロニアル小説
永くポルトガルで封印されていた歴史「植民地からの帰還者」とは!?ーー
封印された歴史、アフリカからの帰還。1974年、ポルトガルで起きた「カーネション革命」直後、植民地・アンゴラから本国へ帰還した、少年・ルイとその家族を描いた物語。
著者自身もアンゴラからの帰還者の1人で、当事者が文学的アプローチで取り組んだ話題作。
「ケルト人の夢」 マリオ・バルガス=リョサ(著)
ノーベル文学賞作家の一大叙事詩
ポストコロニアリズムの観点から重要な作品
1916年、大英帝国の外交官だった男は死刑にされるが、植民地主義の恐怖を暴いた英雄であった。。フィクションと事実がおりなす物語。
「カリブ海偽典」 パトリック・シャモワゾー(著)
フランス語圏カリブ海文学のクレオール性を描いた作品
ゴングール賞受賞作家による、深い響きをたたえた物語
カリブ海の小さな島で、死の床につく、ひとりの男。第2次大戦後に世界各地の独立戦争に参加した島の英雄が、その生涯を語る。言葉の記録人・シャモワゾーは、それを書き取っていく。植民地支配に抵抗した老人の闘いとは!?・・
「ロスト・シティ・レディオ」 ダニエル・アラルコン(著)
PEN/USA賞、ドイツ・国際文学賞、受賞作
ネオコロニアリズム(新植民地主義)的テーマの作品
英語圏、スペイン語圏の双方で高い評価を獲得してきたペルー系アメリカ人作家の初長篇
内戦状態にある架空の国の首都。行方不明者を探すラジオ番組「ロスト・シティ・レディオ」の女性パーソナリティーのもとに、ひとりの少年が訪ねてくる。少年の行方不明者リストには、彼女の夫の名前もある。次第に、明らかになる夫の過去、暴力に支配された国の姿とは!?・・
「マテニ10号」黄 晳暎(著)
闘う産業労働者たちと鉄道員一家四代の、朝鮮半島における百年の物語
日本による植民地支配の象徴であった鉄道
開城-平壌の路線で運行されていたマテニ(マテ2型)は、朝鮮半島に導入されると、主に山岳地帯の多い朝鮮北部で運行された。産業労働者たちと鉄道員一家四代の朝鮮半島における百年の物語。植民地支配、幻の解放、南北分断、そして21世紀へーー
「時の睡蓮を摘みに」 葉山 博子(著)
[2023年] アガサ・クリスティ賞 受賞作
1936年、仏領インドシナで地理学を学ぶ滝口鞠は、外務書記生の植田、商社マンの紺野、憲兵の前島達と関わり、植民地の非常な現実に触れていく。世界大戦の時代に生きる日本人女性の運命!?ーー
書籍
「オリエンタリズム」 エドワード・W. サイード(著)
ポスト・コロニアル文学の代表作
西洋はいかにして東洋(中東・アフリカ・アジア・・)を支配してきたのか!?
西洋に受け継がれてきた思考様式を描き、帝国主義と人種主義を告発した名著。

















