【2025年最新】翻訳文学作品(海外小説)の新刊-マジックリアリズムや大河など

2025年発売の新刊から、おすすめの小説をまとめています。

ミステリー以外のジャンルのおすすめ新刊作品を掲載しています。

マジックリアリズム小説や感動作、中国語文学の傑作など。

4月発売のおすすめ新刊

「タイヤル・バライ」 トマス・ハヤン(著)

タイヤル・バライ
田畑書店
発売日:2025/4/5

台湾原住民族を理解するための1冊

タイヤル族が現実世界で味わった怪異現象や荒唐無稽な出来事とは!?ーー

植民統治下で起こったタイヤル族は、自分たちの心の核心である文化を、どのように直視したのか。幽霊の対話が異なる時空を行き来しながら、物語が進んでいく。植民統治下に命を落としていった霊魂を救済する台湾原住民文学の秀作。

 

「ゴライの悪魔」 アイザック・バシェヴィス・シンガー(著)

ゴライの悪魔
未知谷
発売日:2025/4/7

ノーベル文学賞作家・シンガーの処女長篇

1648年、邪悪なウクライナ・コサックの首領ボグダン・フメリニツキーと、その配下により壊滅した辺境の町ゴライ。その住民を、偽メシアが翻弄する。そこに悪魔が!?・・

 

「ゴースト・フォレスト」 ピク・シュエン・フォン(著)

ゴースト・フォレスト
左右社
発売日:2025/4/3

家族小説で、著者の自伝的デビュー小説

春節のときにだけ再会できる離ればなれの家族ーー

1997年、中国本土返還。家族のため香港で働き続ける父を残し、私たちはバンクーバーへ移住した。カナダが故郷になった私、カナダで生まれの妹、幼い子供たちを育てる母、ひとり香港で働く父。家族それぞれの孤独、わだかまり、温かな想いとは!?・・

 

「非在の街」 ペン・シェパード(著)

非在の街
東京創元社
発売日:2025/4/10

傑作幻想小説

元地図学者見習いのネルは、ニューヨーク公共図書館の高名な地図学者である父の死を知らされる。彼は、平凡な一枚の道路地図を大切に隠していた。しかし、その地図の複製は、あらゆる所蔵機関から失われていた。ネルは地図の秘密を探っていくが、その地図は、隠された世界への招待状だった!?ーー

 

「血統書」 パトリック・モディアノ(著)

血統書
国書刊行会
発売日:2025/4/18

ノーベル文学賞作家の文学的自伝

わたしは血統書をもっているようなふりをする一匹の犬なのだーー

ドイツ占領下のパリ。混乱の時代。フランス当局の「ユダヤ人狩り」を逃れながら闇市に暗躍した父親の怪しげな行動、子供を放り出して舞台や巡業あるいは、遊びに飛び回る母親。両親に放り出された孤独を生きながら、作家として立つ22歳までの日々とは!?・・

 

「割れたグラス」 アラン・マバンク(著)

割れたグラス
国書刊行会
発売日:2025/4/22

現代アフリカ文学のヒップスター、コンゴ共和国出身の著者の代表作

数々の文学賞に輝く1冊

コンゴ共和国の港湾都市のバー。ツケ払いお断り”の主人《頑固なカタツムリ》の依頼で、《割れたグラス》は、常連客たちとの日々を一冊のノートに書き留めていく。何枚ものオムツを穿いた《パンパース男》、誰よりも長く放尿できると豪語する《蛇口女》など酔客たちの奇怪な逸話と、自身についても書きはじめ!?・・

 

「モンゴル人の物語 第一巻」 百田 尚樹(著)

モンゴル人の物語
新潮社
発売日:2025/4/24

百田尚樹氏の描くチンギス・カンの実像とはーー

巨編シリーズの第1巻

世界史に突如姿を現したモンゴル民族による壮大な征服劇、少数の遊牧民族の集団から、ユーラシア大陸の多くを支配する大帝国へ、いかにして成し遂げられたのか!?・・

 

5月発売のおすすめ新刊

「猫と鼠」 ギュンター・グラス(著)

猫と鼠
あいんしゅりっと
発売日:2025/5/1

ノーベル文学賞作家の「ダンツィヒ3部作」

第2次世界大戦の暗い影を落とす、バルト海に面した港町。そこで暮らす少年たちの日常の物語。主人公と友人のマールケたちは、沈没したポーランドの掃海艇に潜り、様々なものを引き上げる日々をおくっていたが、やがて軍隊に加わり、戦争に関わっていくことに!?・・

 

「水脈を聴く男」 ザフラーン・アルカースィミー(著)

水脈を聴く男
書肆侃侃房
発売日:2025/5/7

[2023年] アラブ小説国際賞 受賞作

オマーン生まれの小説家の作品。4作目の作品が、アラブ小説国際賞を受賞しました。

井戸で発見された溺死体から取り出された胎児。水源を探し当て、村を旱魃から救った少年の評判は遠方までどどろき、「水追い師」として各地で引き手あまたとなるが!?・・

 

「極北の海獣」 イーダ・トゥルペイネン(著)

極北の海獣
河出書房新社
発売日:2025/5/9

ヘルシンギン・サノマット文学賞 受賞作

18世紀ロシア、19世紀アラスカ、現代フィンランド・・

絶滅した巨大海棲動物・ステラーカイギュウを巡る冒険譚。3世紀に渡り情熱を燃やす人々が歴史を変える!?・・

 

「人形のアルファベット」 カミラ・グルドーヴァ(著)

人形のアルファベット
河出書房新社
発売日:2025/5/15

シャーリイ・ジャクスン賞受賞作「ワクシー」を含む中毒不可避の短編集

 

「両膝を怪我したわたしの聖女」 アンドレア・アブレウ(著)

両膝を怪我したわたしの聖女
国書刊行会
発売日:2025/5/16

スペイン最南・カナリア諸島発、過激で破滅的な友情物語

10歳の「わたし」と親友のイソラは、スペイン・カナリア諸島に暮らす。夏休み、薄暗い貧困地区を抜け出し、陽光のふりそそぐサン・マルコス海岸に出かけたいのに、仕事に追われる大人たちは車を出してやる余裕がない。ふたりの少女は、退屈しのぎで、不潔で乱暴、猥雑で危うい遊びに次々と手を染め!?・・ 子供らしいイノセンスとは無縁の共依存的関係性。

 

「至上の幸福をつかさどる家」 アルンダティ・ロイ(著)

至上の幸福をつかさどる家
春秋社
発売日:2025/5/21

インドのブッカー賞作家の20年ぶりの新作長編小説

ヒジュラーのアンジュムは、荒廃した墓場に家を建てて住み始めた。やがて、家はゲストハウスになり、そこで様々な傷を抱えた人々の人生が交錯する。カシミールでの紛争、首都の抗議運動など、現代インド史の出来事を寓話的に織り交ぜながら!?・・

 

「ペネロピアド・女たちのオデュッセイア」 マーガレット・アトウッド(著)

ブッカー賞作家によるギリシア神話の壮大な叙事詩

ギリシャ神話で有名なペネロペイアについて描いた小説。トロイの英雄・オデュッセウスを待ち続けた妻・ペネロペイア。長年待ち続けた彼女の本心と、殺された12人の女中の真実とは!?・・

 

6月発売のおすすめ新刊

注目!「ジェイムズ」 パーシヴァル・エヴェレット(著)

ジェイムズ
河出書房新社
発売日:2025/6/27

[2024年] 全米図書賞 受賞作

ニューオリンズ、ミシシッピ川。ハックルベリー・フィンの冒険を、奴隷のジムの視点から描いた作品

 

「ムーア人による報告」 レイラ・ララミ(著)

ムーア人による報告
白水社
発売日:2025/6/1

実在の報告書を元に実在した奴隷の視点から再構築

1528年、スペインの「フロリダ探検隊」は、黒人奴隷を連れ、黄金を探索する。そして、メキシコを目指す。



3月発売のおすすめ新刊

「彼女を見守る」 ジャン=バティスト・アンドレア(著)

彼女を見守る
早川書房
発売日:2025/3/5

【2023年】仏ゴンクール賞 受賞作

両大戦間の激動の時代を生きる2人の恋愛模様

第一次世界大戦後、イタリア北西部の村。貧しい家に生まれた石工の弟子・ミモ。城館に住む侯爵家の娘・ヴィオラ。出会う筈のない2人は惹かれあうが!?・・

 

「猫にご用心 知られざる猫文学の世界」 ウィリアム・ボールドウィン(著)

猫にご用心・知られざる猫文学の世界
日本印刷(株)出版・メディア事業部
発売日:2025/3/28

愉快痛快な ”猫文学” アンソロジー

16世紀イギリスの怪奇譚「猫にご用心」ー ストリーマは、猫たちの会話を理解しようと動物の言葉が分かるようになる秘薬を作り出す。そんな人間達の滑稽な姿が、猫の目を通して描かれる。 そこから派生した猫文学も同時収録。

 

「テオドラ:女優からビザンツ皇后、聖人へ」 デイヴィッド・ポッター(著)

ビザンツ帝国の皇后・テオドラの生涯ーー

ラヴェンナの有名なモザイクで知られる、ビザンツ帝国の皇后テオドラ。ユスティニアヌスの片腕として、多くの障害を乗り越え、信じがたい権力を手にする。初期ビザンツ研究の成果を取り入れ、踊り子から、重大な宗教論争の解決のために中心的な役割を果たし、旧西ローマ帝国領の再征服や教会の統一などのユスティニアヌスの治績に、関与した生涯を見つめなおす。

 

2月発売のおすすめ新刊

「FREE:歴史の終わりで大人になる」 レア・イピ(著)

FREE:歴史の終わりで大人になる
勁草書房
発売日:2025/2/15

アルバニアに育ったLSE政治理論教授の哲学的自伝

社会主義下のアルバニア。粛清と困窮の仲で、自由への期待に満ちた少女時代。1990年、抗議行動の高まりで一変するが!?・・ 自由選挙、市場開放、構造改革、移民増加など、政治と民主主義とは!?ーー

 

「虚言の国 アメリカ・ファンタスティカ」 ティム・オブライエン(著)

ピュリッツァー賞候補作家の20年ぶりの奇想天外な物語

虚言症が蔓延するアメリカで、稀代の嘘つき男が仕掛ける!?ーー

中年男・ボイドは、一流のジャーナリストからフェイクニュースの王に転落する。カリフォルニアの田舎町で、デパートの店長をしている彼は、地元銀行のアンジーに銃をつきつけ、8万1千ドルと彼女を連れ、逃避行に出る。アメリカを縦断するボイドと、大富豪、悪徳警官、美人妻、殺人者など、追う者と追われる者が入り乱れ、全米を疾走するが!?・・

 

「美しい世界はどこにいる」 サリー・ルーニー(著)

美しい世界はどこにいる
早川書房
発売日:2025/2/19

社会の理想と現実の差に苦しむ若者達を描いた物語

ダブリンを離れて田舎に移り住んだ人気作家のアリス。そこで、倉庫作業員の男性と知り合う。一方、アリスの親友・アイリーンは、恋人との別れから立ち直れず、ダブリンで鬱々と暮らす。2人は長文のメールを交わすが!?・・

 

「君のためなら千回でも」 カーレド・ホッセイニ(著)

君のためなら千回でも
KADOKAWA
発売日:2025/2/25

世界800万部突破

120週連続でNYタイムズ紙ベストセラーIN

1975年、アフガニスタン。裕福な家に生まれた僕は、召使いのハッサンと兄弟のように育つ。凧合戦の日、「君のためなら千回でも!」と凧を追いかける彼を、僕は裏切ってしまう・・ 2001年、911テロ直前の米国で、僕は一本の電話を受ける。それは、償いの旅の始まりとなり!?・・

 

1月発売のおすすめ新刊

「美は傷」 エカ・クルニアワン(著)

美は傷
春秋社
発売日:2025/1/8

マジックリアリズム文学の大河小説

ジャワ南部の港町に生まれた娼婦・デウィ・アユ。その一族を襲った悲劇。植民地統治、占領、独立、政変など、暴力の歴史と共に、神話、伝説、寓話などが絡み合う奇想天外な物語。

 

「あの図書館の彼女たち」 ジャネット・スケスリン・チャールズ(著)

あの図書館の彼女たち
東京創元社
発売日:2025/1/10

図書館員達の勇気と絆を描く感動作

1939年パリ。アメリカ図書館の司書に採用された20歳のオディール。本好きな彼女は、館長や同僚達との絆を深めていく。しかし、ドイツとの戦争が始まり、図書館は、病院や戦地にいる兵士に本を送るプロジェクトを開始する。やがてドイツ軍がパリを占領し、ユダヤ人の利用者に危機が訪れ!?・・

 

「動物工場」 ノヴァイオレット・ブラワヨ(著)

動物工場
早川書房
発売日:2025/1/22

ジンバブエ版「動物農場」

アフリカにある動物達の王国・ジダダ。植民地支配から民を救った建国の父・オールド・ホースの政権誕生40周年を迎える。しかし、この栄光の影で犠牲となる者達を、ジダダの民たちは気づいていた!?・・

 

「城南旧事」 林海音(著)

城南旧事
行知学園
発売日:2025/1/16

「台湾文学の祖母」と言われる作家の中国語文学の傑作

幼少期を過ごした北京での思い出を基にした自伝的小説

1920年代、北京。1920年代北京。台湾から引っ越してきた少女・英子は、北京の伝統的な街並み・胡同(フートン)の中を駆け回る。激しく変化する時代に翻弄されながら、生活する人々を描いた教科書にも掲載される1冊。