【全体主義社会】を描いた小説|管理・統制国家などが支配する世界

全体主義的な世界を描いた小説をまとめています。

情報統制・管理社会・監視社会など、個人の権利や利益を統制された社会。

そういった政治体制をテーマにした小説を掲載しています。

全体主義とは!?

全体主義とは、個人の自由や社会集団の自律性を認めず、権利、利益を、国家全体の利害と一致するよう統制を行う思想、政治体制のことを言います。

起源は、ハンナ・アレントの主著「全体主義の起源」であるとされています。

しかし、全3部から成るこの大著を分析し、展開した研究は、明確には存在していません。

全体主義小説は、監視・管理社会、情報統制などのテーマを取り入れ、抑圧的な未来社会を描いた作品が特徴です。

 

「全体主義の起源」 ハンナ・アレント(著)

「全体主義の起原ー反ユダヤ主義」 ハンナ・アーレント(著)

全体主義の起原
みすず書房
発売日:2017/8/24

20世紀を代表する古典、アーレントの大著の新版・全3巻

現代史・政治学・ホロコースト研究・アーレント研究を現在の水準で、読みやすくした新版

旧来のユダヤ人憎悪とは質が異なり、全体主義へと結晶化する「反ユダヤ主義」は
いかにして生まれたか。18世紀からドレフュス事件まで。

 

【全体主義】小説のおすすめ

「一九八四年」 ジョージ・オーウェル(著)

一九八四年
講談社
発売日:2009/7/18

20世紀世界文学の最高傑作

全体主義小説、代表的作品の不朽の名作。

全体主義的近未来。「ビッグ・ブラザー」の党が支配する世界で、体制に不満を抱きつつも歴史の改竄を仕事にするウィンストン・スミス。ある時、美女のジュリアと恋に落ちたことを契機に、反政府地下活動に惹かれていくが!?・・

 

「すばらしい新世界」 オルダス・ハクスリー(著)

すばらしい新世界
講談社
発売日:1974/11/27

全てのディストピア小説の源流にして不朽の名作

2049年の最終戦争後、暴力を排除し「共生・個性・安定」をスローガンとする世界が形成される。。人間は受精卵の段階から瓶の中で培養され、5つの階級に分けられ管理・区別される。平和な安定史上主義の世界に、未開社会から来たジョンが起こす騒動により世界の矛盾が明らかに!?・・

 

「われら」 エヴゲーニイ・ザミャーチン(著)

われら
集英社
発売日:2018/1/19

ロシアのディストピア小説の先駆的名作

自由や個性が凍結された「単一国」に統治された世界。監視下に置かれながら生活する人々は、わたし(個人)はなく、われら(全体の一部)でしかない。自由時間以外は同一の日課を過ごす。。しかし、主人公はある女性と恋に落ち、個としての葛藤に気づく・・

 

「真昼の暗黒」 アーサー・ケストラー(著)

真昼の暗黒
岩波書店
発売日:2009/8/18

スターリン時代の全体主義体制下での粛清の論理と戦慄のモスクワ裁判を描いたベストセラー

元人民委員・ルバショフは、独房No.404に収監される。覚えのない罪への3回の審問と獄中の回想、壁越しの囚人同士の交信と古参党員の運命。No.1とは誰か!? なぜ自白は行われたか!?・・

 

「やぎ少年ジャイルズ」 ジョン・バース(著)

やぎ少年ジャイルズ
国書刊行会
発売日:1992/10/1

トマス・ピンチョンと並び、ポストモダン文学の巨塔、ジョン・バースの作品

奇想に満ちた世界史の荒唐無稽なパロディーー

ヤギとして育てられた少年ジャイルズ。自分のことをヤギだと思っていたが、人間であることに気づき始める。やがて、大学に進むが、大学は巨大なコンピュータに統治されていて!?・・

 

「侍女の物語」 マーガレット・アトウッド(著)

侍女の物語
早川書房
発売日:2001/10/24

[1987年] アーサー・C・クラーク賞受賞作

カナダ総督文学賞

自由を奪われた近未来社会の人々を描くディストピア文学

ギレアデ共和国の侍女オブフレッドは、配属先の邸宅の主の司令官の子を産むことが役目。しかし、彼女は夫や娘と暮らしていた時代が忘れられない・・ 監視と処刑の恐怖に怯えながら逃亡の道を探す彼女に光が差し込むが!?・・

 

「華氏451度」 レイ・ブラッドベリ(著)

華氏451度
早川書房
発売日:2014/4/24

「火星年代記」などSFの巨匠による全体主義小説

読書が有害とされ、本が禁制品となっている全体主義的な近未来社会。考えること、記憶することを放棄している人々。。主人公のモンターグは、書物を焼き尽くす昇火士(ファイアマン)のひとりとして活動するが、1人の少女と出会い彼の人生が変わっていく!?ーー

 

「高い城の男」 フィリップ・K・ディック(著)

高い城の男
早川書房
発売日:1984/7/31

[1963年度] ヒューゴー賞受賞の最高傑作

全体主義などへのアンチテーゼ

第二次大戦の勝敗が逆転した世界。1962年、アメリカは東部をナチス・ドイツに、西部を大日本帝国に支配されていた。ナチス・ドイツと日本に分割統治されたアメリカ。現実と虚構が絶妙なバランスで描かれた1冊。

 

「鳥の歌いまは絶え」 ケイト・ウィルヘルム(著)

鳥の歌いまは絶え
東京創元社
発売日:2020/4/30

ヒューゴー賞・ローカス賞・ジュピター賞の3賞 受賞作

ル=グィン、ティプトリー・ジュニアに並び称されるSF作家の代表作

奇妙な全体主義の成立と衰退をテーマにーー

放射能汚染で緩やかな滅びへと向かう地球上の生物群。そんな折、豊かな渓谷の一族が研究所を創り上げ、クローン繁殖の技術で滅亡を回避しようと試みる。しかし、誕生したクローンたちは、自意識が薄く、今までの人類の文化とは異なる王国を築きあげようとしていた・・

 

「NSA」 アンドレアス・エシュバッハ(著)

NSA
早川書房
発売日:2022/1/6

クルト・ラスヴィッツ賞 受賞作

全体主義社会に現代の監視技術を外挿した改変歴史SF

第二次大戦中のドイツで携帯電話とインターネットが発展し、高度な監視システムが構築されてたら!?・・ 改変歴史世界のドイツ。国家保安局NSAは、すべてのデータを監視し、保存していた。アナリストのレトケとプログラム作成係のヘレーネは、NSAの有用性を示すデモを行うのだが!?・・

 

「メトーデ 健康監視国家」 ユーリ・ツェー(著)

メトーデ・健康監視国家
河出書房新社
発売日:2024/7/24

ドイツで110万部のベストセラーの近未来ディストピア小説

健康維持システム〈メトーデ〉が国民の生活を管理する。健康が義務となる中、身体の個人情報が筒抜けに!?・・

 

「チョコレート・アンダーグラウンド」 アレックス・シアラー(著)

〈健全健康党〉が、〈チョコレート禁止法〉を発令!ーー

おそらく現代のある国。選挙で勝利をおさめた〈健全健康党〉のチョコレート禁止法により、国じゅうから甘いものが処分されていく。チョコレートが大好きな少年・ハントリーとスマッジャーは、法律に疑問を抱き、チョコレートを密造し、〈地下チョコバー〉を始めるが!?・・

 

「タワー」 ペ・ミョンフン(著)

タワー
河出書房新社
発売日:2022/9/27

韓国SFの金字塔

「韓国SF作家ベスト10」に選出されたこともある作家

2009年に発売され、韓国SF小説の先駆者となった著者の復刊。674階建ての超巨大ビル国家”ビーンスターク”に生きる人々の物語。

 

「R帝国」 中村 文則(著)

R帝国
中央公論新社
発売日:2020/5/21

キノベス! 2018年(紀伊國屋書店スタッフのおすすめベスト)第1位

アメトーーク! 「読書芸人」で紹介された1冊

全体主義の恐怖を描く近未来SFディストピア

近未来の島国・R帝国。人工知能搭載型携帯電話・HP(ヒューマン・フォン)の画面を常に見ながら生活している人々。矢崎は、R帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。国家を支配する絶対的な「党」という存在、謎の組織「L」。この国の運命は、幸福か!? 絶望なのか!?・・