【自然主義文学】代表的作品|リアリズムを発展させつつ社会矛盾を表現

【自然主義文学】の代表的な作品を掲載しています。

19世紀末の文学運動で、ヨーロッパだけでなく、日本にも影響を与えた自然主義文学。

そんな自然主義文学の有名な作家とその作品をまとめています。

自然主義文学とは!?

自然主義文学は、19世紀末、フランスでエミール・ゾラが提唱した文学運動です、

実験的展開を持つ小説のなかに、自然とその法則の作用、遺伝と社会環境の因果律の影響下にある人間を、赤裸々に描き見出そうとした。  ~ Wikipedia より~

ロマン主義への反動として、写実主義を発展させつつ、社会的矛盾を鋭く表現しました。

フランスには他に、モーパッサンやゴンクールなどがいましたが、ドイツ自然派、ノルウェーのイプセンなど、諸外国に広がっていきました。

スペインでは、文学動向を鋭敏に取り入れて普及させたパルド・バサンにより、スペイン自然主義文学が生まれました。

スペイン社会の真実を文学を通じて探求し、社会や人間の現実を客観的・科学的な視点で描いた文学運動となりました。

日本にも大きな影響を与えました。



【自然主義文学】代表的作品

フランス自然主義文学
エミール・ゾラ
「居酒屋」 エミール・ゾラ(著)
居酒屋
新潮社
発売日:1971/1/1

自然主義文学の定義者であり、代表的存在

ゾラを自然主義文学の中心作家たらしめた力作

洗濯女・ジェルヴェーズは、帽子屋ランチエに棄てられ、2人の子供と共に、ブリキ職人クーポーと結婚する。彼女は洗濯屋を開くことを夢見て働き幸福を得るが、そこに再びランチエが割り込んできて!?・・ 19世紀パリ下層階級の悲惨な人間群像を描き出す作品。

 

ギ・ド・モーパッサン
「女の一生」 ギ・ド・モーパッサン(著)
女の一生
新潮社
発売日:1951/2/22

フランス自然主義文学の代表作(不朽の名作)

モーパッサンは、自然主義文学の立役者のひとり

修道院で教育を受けた清純な貴族の娘・ジャンヌは、幸福と希望に胸を踊らせて結婚生活を始める。しかし、夫に裏切られ、放蕩息子に手を焼き、悲惨な苦闘の道のりだった・・ 貴族の娘・ジャンヌが、結婚後の裏切りや不幸で転落していく様を描いた1冊。

 

ゴンクール兄弟
「ゴンクールの日記」 ゴンクール(著)
ゴンクールの日記
岩波書店
発売日:2010/1/16

(仏)ゴンクール賞の創設者

19世紀後半の「世界の首都」パリを記録した観測記ーー

クーデタに始まる第二帝政、文人たちの激しい野心と葛藤、パリ・コミューヌの日常など、爛熟期パリの世相風俗を克明に描いた無数のデッサン。

 

スペイン自然主義文学
エミリア・パルド=バサン
「ウリョーアの館」 エミリア・パルド=バサン(著)
ウリョーアの館
現代企画室
発売日:2016/12/28

スペインに自然主義文学を普及させた女流作家

TVドラマ化もされたスペイン近現代文学の傑作ーー

「ウリョーアの館」に、新米の聖堂付司祭が着任する。ガリシア地方の田舎貴族の館で、繰り広げられる愛憎劇。時代の変化と価値観の衝突、政治状況も絡む曲折の果てに、齢を重ねた司祭が目にしたものとは!?・・

 

ベニート・ペレス゠ガルドス
「スカートをはいたドン・キホーテ」 ベニート・ペレス゠ガルドス(著)
スカートをはいたドン・キホーテ
幻戯書房
発売日:2025/8/26

「ドン・キホーテ」のパロディーたるスペイン自然主義文学

首都マドリードの都市空間の綾を読み解く都市小説の傑作長編

マリオ・バルガス゠リョサに「20世紀初頭の前衛小説に先んじた手法」と称された1冊。

 

レオポルド・アラス(別名:クラリン)
「ラ・レヘンタ」 クラリン(著)
ラ・レヘンタ
白水社
発売日:1988/12/1

レオポルド・アラス(別名:クラリン)の人間存在そのものの弱さと愚かさを描く作品

ラ・レヘンタ(地裁所長夫人)は、周囲の俗物への嫌悪から新しい生活を模索するが、信仰と愛の誘惑の間に揺れ!?・・

 

ドイツ自然主義文学
ハウプトマン
「沈鐘」 ハウプトマン(著)
沈鐘
岩波書店
発売日:1934/7/15

近代人悲劇の代表的表現

芸術家の運命を主題とする劇

 

ノルウェー自然主義文学
イプセン
「人形の家」 イプセン(著)
人形の家
新潮社
発売日:1953/8/24

近代劇確立の礎石といわれる社会劇の傑作

主人公ノラが「新しい女」の代名詞となった婦人解放の書の戯曲ーー

平和な生活を送っている弁護士の妻・ノラには、秘密があった。父親の署名を偽造して借金をしたのだ。夫は、ノラをののしるが事件は解決し、再びノラの意を迎えようとする。しかし、ノラは「人形のように生きるより人間としていきたい」と願い、3人の子供も捨て家を出る。妻であり母親である前に、一個の人間として生きたいーー

 

スウェーデン自然主義文学
アウグスト・ストリンドベリ
「令嬢ジュリー」 アウグスト・ストリンドベリ(著)
令嬢ジュリー
論創社
発売日:2022/4/15

20世紀、現代演劇を主導した異端児・ストリンドベリの自然主義悲劇

オリジナル原稿による新全集版の新訳

 

アメリカ自然主義文学
セオドア・ドライサー
「アメリカの悲劇」 セオドア・ドライサー(著)
アメリカの悲劇
花伝社
発売日:2024/9/24

1920年代アメリカ現代文学の先駆的傑作、待望の新訳!

20世紀初頭のアメリカを代表する自然主義文学の作家

貧困と差別、性の在り方、資本家と労働者、宗教の役割、陪審制度と死刑問題、新聞の役割など、現代に繋がるアメリカ社会の断面を浮き彫りにしながらーー

 

スティーヴン・クレイン
「勇気の赤い勲章(旧題:赤い武功章)」 スティーヴン・クレイン(著)
勇気の赤い勲章
光文社
発売日:2019/10/8

自然主義文学の草分け的な作家の作品(旧題の邦訳は「赤い武功章」)

南北戦争が舞台のアメリカ戦争文学の傑作

北軍に志願したヘンリーは、戦場での英雄的活躍に憧れていた。戦いが始まり、興奮のうちに射撃し続けた彼だったが、執念深く襲いかかる敵軍の包囲に遭い、高揚は恐慌へと変わり!?・・

 

ジャック・ロンドン
「野性の呼び声」 ジャック・ロンドン(著)
野性の呼び声
光文社
発売日:2007/9/6

カナダのユーコン準州が舞台の名作冒険小説

苛酷な大自然を生き抜く、犬たちの誇り高き生命の物語ーー

ゴールドラッシュに沸くカナダ・アラスカ国境地帯。開拓者の唯一の通信手段は、犬ぞりだった。大型犬のバックは、数奇な運命のもと、この地で、そり犬となる。大雪原を駆け抜け、生きのびていくうちに、その血に眠っていたものが目覚めはじめ!?・・

 

フランク・ノリス
「マクティーグ」 フランク・ノリス(著)
マクティーグ
幻戯書房
発売日:2019/9/26

ノワール文学の先駆的作品

ゾラをも凌ぐアメリカ自然主義の、最高の宿命小説ーー

突如、その男の内側に住む獣が身をもたげ、目を覚ました。怪物シュトロハイムに、映画「グリード」を作らせた1冊。

 

日本の自然主義文学
島崎 藤村
「破戒」 島崎 藤村(著)
破戒
新潮社
発売日:2005/7/1

近代日本文学の頂点をなす傑作

日露戦争を通過した戦後文学の最初の新しい旗

明治後期、部落出身の教員・瀬川丑松は、父親から身分を隠せと戒められていた。しかし、解放運動家・猪子蓮太郎の壮烈な死に心を動かされ、父の戒めを破ってしまう。結果、社会は丑松を追放し、彼はテキサスをさして旅立つ。

 

国木田 独歩
「武蔵野」 国木田 独歩(著)
武蔵野
KADOKAWA
発売日:2016/3/25

自然主義文学の先駆者・国木田独歩の作品

日本の自然主義の先駆けと称された表題作など、初期の名作を収録した第一短編集。

人気アニメ「文豪ストレイドッグス」とコラボレーションした特別カバーの新装版

 

田山 花袋
「蒲団」 田山 花袋(著)
蒲団
青空文庫POD[NextPublishing]
発売日:2014/3/10

不毛で単調な生活の中年作家・竹中は、刺激的な恋愛を夢想している。そこに、若く美しい女学生が弟子入りしてきた。女弟子に心を奪われながらも、保護者としての立場に思い惑う。そして、女弟子に恋人が現れるが!?・・