【サイバーパンク小説10選】電脳空間(サイバースペースが舞台の作品

電脳空間(サイバースペース)、サイバーな電子空間、仮想現実が舞台になっています。

近未来のディストピアを舞台としたサイエンス・フィクション(SF)のサブジャンルのひとつ、サイバーパンク。

人工知能、サイバーウェアなどのテクノロジーが高度に発達した社会やコンピューターネットワークが支配する世界の小説です。

スポンサーリンク

サイバーパンクの古典小説

「ニューロマンサー」 ウィリアム・ギブスン(著)

ニューロマンサー
早川書房
発売日:1986/7/1

ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞

サイバーパンクSFの代表的作家の代表作

ハイテクと汚濁の都・千葉シティの空の下、コンピュータ・ネットワークの織りなす電脳空間を飛翔できた頃に思いを馳せ、ケイスは空虚な日々を送っていた。コンピュータ・カウボーイ能力を奪われていたが、能力再生を代償に、ヤバい仕事の話が舞いこんできた。依頼を受けたケイスは、電脳未来の暗黒面へと引きこまれていくが!?・・ 電撃的文体を駆使した作品。

 

「スキズマトリックス」 ブルース・スターリング(著)

スキズマトリックス
早川書房
発売日:1987/12/1

ウィリアム・ギブスンと2大巨頭と言われる作家の代表作

科学とイデオロギーの急激な進歩により、国家よりも個人の寿命が長くなってしまった未来の物語。

 

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 フィリップ・K・ディック(著)

映画「ブレードランナー」の原作

サイバーパンクの起源と言われる作品

SF小説の名作で、独特の世界観があります。家族の絆や恋愛など人間関係が盛り込まれているのが特徴です。

 

注目!「愛はさだめ、さだめは死」 ジェイムズ・ジュニア ティプトリー(著)

愛はさだめ、さだめは死
早川書房
発売日:1987/8/1

ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞

サイバーパンクの原典で先駆け、ジェイムズ・ティプトリー ジュニアの「接続された女」は、SF小説の頂点と言われています。

今で言うインフルエンサーのようなものを、1974年に執筆しています。

70年代のSF界を席巻したティプトリーの傑作短編集。

 

「ノヴァ」 サミュエル・R. ディレイニー(著)

ノヴァ
早川書房
発売日:2005/11/1

サイバーパンク文学の先駆け

現代SFの頂点を極めたディレイニーの最高傑作

時は32世紀。プレアデス連邦の権力者、ローク・フォン・レイは、仇敵プリンス・レッドを破滅に追いこむべく、冒険に乗り出す。超エネルギー資源・イリュリオンの採取が目的だが、それが可能な場所は、大爆発をおこしノヴァになる瞬間の恒星の中心部だけだった・・

 

「時空ドーナツ」 ルーディ・ラッカー (著)

時空ドーナツ
早川書房
発売日:1998/10/1

史上初のサイバーパンク・ノベル

3部構成の超空間物理サイバーパンクSF長編

無限大と無限小が循環の果てに一致する究極の領域。ユーモアSFを含む特異な作家の絶版になっている作品。

 

「スノウ・クラッシュ」 ニール・スティーヴンスン(著)

スノウ・クラッシュ
早川書房
発売日:2022/1/25

「メタヴァース」の語を生んだ傑作

ポスト・サイバーパンク

オンライン上に仮想空間「メタヴァース」が築かれた近未来のアメリカ。凄腕ハッカーで、デリバリーピザの配達人でもあるヒロ・プロタゴニストは、メタヴァースで知り合った男に「スノウ・クラッシュ」という謎のドラッグを渡され!?ーー

 

「重力が衰えるとき」 ジョージ・アレック・エフィンジャー(著)

重力が衰えるとき
早川書房
発売日:1989/9/15

サイバーパンクSF × ハードボイルドミステリー

アラブの近未来犯罪都市・ブーダイーンが舞台。探偵仕事を営むマリードは、ロシア人の男から、行方不明の息子の捜索を依頼される。しかし、依頼人が目の前で殺されてしまう。周囲で起こる不穏な事件の傍らで、マリードは、クスリ片手に街を疾走するが!?・・



近年のサイバーパンク小説

「不夜島(ナイトランド)」 荻堂顕(著)

不夜島(ナイトランド)
祥伝社
発売日:2023/12/8

2024年(第77回)日本推理作家協会賞 受賞作

琉球と台湾の史実を基にしたサイバーパンク

第二次世界大戦後、米軍占領下の琉球。その最西端の与那国島では、ありとあらゆる物が売買される密貿易が行われていた。サイボーグ密貿易人・武庭純は、殺人鬼と化した元憲兵が島に上陸したと警官から聞く。武は、元憲兵探しに乗り出す。やがて、世界を巻き込む陰謀に巻き込まれていくが!?・・

 

「ガーンズバック変換」 陸 秋槎(著)

ガーンズバック変換
早川書房
発売日:2023/2/21

SFが読みたい!ベストSF2023【海外編】第3位

「元年春之祭」で知られる華文作家の全8篇からなる短篇群

ネットへの視覚的なアクセスを遮断する規制が敷かれた香川県からやってきた女子高生の大阪観光サイバーパンクーー表題作「ガーンズバック変換」

 

スチームパンク小説

「ディファレンス・エンジン」 ウィリアム・ギブスン, ブルース・スターリング(著)

ディファレンス・エンジン
早川書房
発売日:2008/9/15

スチームパンクの傑作

サイバーパンクの中心的な作家2人による記念碑的名作

産業革命時、英国の数学家チャールズ・バベッジにより発明された「差分機関」の完成で、蒸気機関が発達した1855年のロンドン。蒸気が支配する世界で、革命家の娘シビル・ジェラードは、国際的陰謀へと巻き込まれ!?・・

 

「リヴァイアサン」 スコット・ウエスターフェルド(著)

リヴァイアサン・クジラと蒸気機関
早川書房
発売日:2011/12/7

ローカス賞受賞の冒険スチームパンク3部作、開幕篇

1914年、ふたつの勢力が拮抗しているヨーロッパ。英国などの〈ダーウィニスト〉と、蒸気機関やディーゼル駆動の機械文明を発達させたドイツら〈クランカー〉。両者の対立は深まり!?・・

 

注目!「精霊を統べる者」 P・ジェリ・クラーク(著)

精霊を統べる者
東京創元社
発売日:2024/6/19

スチームパンクSF(傑作歴史改変SF)

ネビュラ賞、ローカス賞、イグナイト賞、コンプトン・クルック賞の4冠

SFが読みたい!2025年版【海外編】第1位 

エジプト社会。19世紀後半、伝説の魔術師アル=ジャーヒズが、ジン(精霊)の世界の扉を開く。魔法や奇跡と科学の融合で、急速な発展を遂げる。40年後、エジプト魔術省の女性・ファトマは、アル=ジャーヒズを名乗る謎の男を捜査するが!?・・