心理小説10選|フォークナー、ヴァージニアウルフ、スタンダールなど

心理小説の名作的作品をまとめています。

モダニズム文学のひとつの手法である「意識のながれ」を表現した作品など。

人間の深層心理や心理描写が豊富な小説を掲載しています。

心理小説の文学潮流

1890年代に、アメリカ合衆国の哲学者、心理学者であるウィリアム・ジェームズにより、「意識のながれ」理論が提唱されました。

「意識のながれ」とは、心理学の概念で、ジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」や、アメリカ文学などに影響を与えました。

ウィリアム・ジェームズは、「ねじの回転」で知られる小説家、ヘンリー・ジェイムズの兄としても知られています。

 

心理小説の代表的作品

「赤と黒」 スタンダール(著)
赤と黒
新潮社
発売日:1957/2/27

フランス心理小説の最高峰

19世紀フランス文学、リアリズム作家の革命的名著

貧しい生まれの美青年が燃やす権力への野心ーー

ジュリヤン・ソレルは、製材小屋のせがれとして生まれ、父や兄から虐待される日々をおくる。彼は、不屈の強靱な意志を内に秘め、町を支配するブルジョアに対し激しい憎悪を抱いていた。そんな折、たまたま、町長・レーナル家の家庭教師になり、純真な夫人を誘惑してしまい!?・・

 

「失われた時を求めて」 マルセル・プルースト(著)
失われた時を求めて
岩波書店
発売日:2010/11/17

20世紀西欧文学を代表する世界的な作家で、フランスの小説家

「ユリシーズ」と並び、20世紀最高の文学と言われるプルーストの代表作

丁寧な心理描写の全14巻からなる大作

 

「ヘンリー・ジェイムズ傑作選」 ヘンリー・ジェイムズ(著)
ヘンリー・ジェイムズ傑作選
講談社
発売日:2017/8/10

「心理主義小説」の先駆者ヘンリー・ジェイムズの代表作

「意識の流れ」提唱者で心理学者のウィリアム・ジェームズの弟

プレ・モダニズム期の作家で、心理描写の代表格

プルーストやジョイスらと共に、現代文学の基礎をきずいた作家です。文学的先駆性と言語表現の豊かさが詰まった傑作選。

 

「響きと怒り」 ウィリアム・フォークナー(著)
響きと怒り
河出書房新社
発売日:2024/9/26

ノーベル賞作家の最高傑作【新訳】

20世紀文学の傑出した小説のひとつ

米国南部社会の醜悪で陰惨な人間心理を描写し、白痴ベンジーの意識のなかに連れこむ。アメリカ南部の名門コンプソン家。古い伝統と因襲のなかで没落してゆく姿が、現在と過去が交錯しながら描かれる。

 

「灯台へ」 ヴァージニア・ウルフ(著)
灯台へ
新潮社
発売日:2024/9/30

女性作家の地歩をも確立した英文学の傑作

描かれるのはたった2日のできごとだけで、愛のゆるぎない力を描き出すーー

スコットランドの小さな島の別荘で、哲学者・ラムジー氏の妻は、末息子に約束した。「ええ、いいですとも。あした、晴れるようならね」。少年は、夜通し輝くあの夢の塔に行けると胸を躍らせる。そして10年の時が過ぎ、第一次大戦で一家は息子の一人を失い、再び別荘に集い!?・・

 

「フラニーとズーイ」 サリンジャー(著)
フラニーとズーイ
新潮社
発売日:2014/2/28

J・D・サリンジャー文学の傑作

宗教への希求といったテーマを深く掘り下げた「心理小説」の傑作

アメリカ東部の名門大学に通うグラス家の美しい末娘・フラニーと俳優で5歳年上の兄・ズーイ。フラニーは、エゴだらけの世界に欺瞞を覚え、小さな宗教書に魂の救済を求める。ズーイは、彼女を救い出そうとするが!?・・

 

「緋文字」 ホーソーン(著)
緋文字
新潮社
発売日:1957/10/17

19世紀、アメリカ文学の最高峰の深層心理小説

きびしい迫害と孤独の生活に耐えるヘスターの姿ーー

戒律のきびしい清教徒の町・ボストン。牢獄前広場で、さらし台に立たされる女があった。公衆の面前に恥辱の身をさらされ、「姦淫」を象徴する緋色のAの字を付けることを言いわたされ!?・・

 

「退屈な話」 アントン・チェーホフ(著)
退屈な話
グーテンベルク21
発売日:Kindle版

心理描写を重視した作品を多く発表したチェーホフの代表的な中編

老教授は、立派な経歴がありながら退職後の生き方に自信を持てず、その心境をえぐった作品。

 

「地下室の手記」 ドストエフスキー(著)
地下室の手記
光文社
発売日:2007/5/10

文豪・ドストエフスキーの人間心理の奥底を描いた作品

著者の思想が反映された作品

終わりのない絶望と戦う人間の姿。世の中を怒り、憎み、攻撃し、後悔の念から、もがき苦しむ世間から軽蔑され、虫けらのように扱われた男は、自意識渦巻く精神が逃げ込む堅牢な地下室で・・

 

「こころ」 夏目 漱石(著)
こころ
新潮社
発売日:2004/3/1

日本文学における心理小説の最高峰

発行部数700万部、日本で1番売れたとされる近代文学を代表する名作

親友を裏切り、恋人を得た。しかし、親友は自殺した。増殖する罪悪感と焦燥・・。エゴイズムと心の機微、罪への葛藤などが描かれる。知識人の孤独な内面を抉る、高校の教科書にも掲載された作品。

 

「羅生門」 芥川 龍之介(著)
羅生門
青空文庫POD
発売日:2017/1/14

人間心理を描いた不朽の名作。下人の心理描写を通して問いかける。

1つの事件を、複数の登場人物が、それぞれの視点で語る。